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またり
日本茶アドバイザー
「茶々じかん」管理人。
日本茶アドバイザー資格を保有。
表千家茶道。
日本茶と和風なデザインが好き。

【日本茶発祥の地】宇治茶の特徴:上質なお茶で知られる歴史的な茶産地

この記事にはプロモーションが含まれていま

宇治茶にはどんな特徴があるのでしょうか。

その深い味わいと香り、高品質な茶葉がどのように生まれるのか、普段から宇治茶を好んで飲まれている方でも知らない人も多いのではないでしょうか?

しろくまさん

宇治茶って一体何?京都のお茶??

この記事を通じて、宇治茶の基本的な特徴から歴史まで、簡単に理解することができます。

私自身も宇治茶を好んで飲んでおり、宇治茶特有の「うまみ・渋み・苦み」のバランスが、他のお茶にはない深い満足感をもたらしてくれることを実感しています。
さらに、宇治茶の深い歴史と製法を知ることで、より一層普段のお茶が美味しく感じれるはず!

ぜひ、宇治茶を飲みながらこの記事を読んでいただけたら嬉しいです🍵

この記事でわかること
  • 宇治茶の基本的な知識
  • 宇治茶の特徴と歴史
  • 覆下栽培と手もみ製茶技術について

この記事を書いてる人

  • 日本茶アドバイザー資格を保有
    (日本茶に関する消費者への初級指導者)
  • 表千家 茶道
    (2023年~)
  • 日本茶サブスクを利用中
    (通算利用履歴10年以上~)
3行まとめ
  • 宇治茶は日本を代表するお茶。日本茶のルーツ。
  • 産地は京都府の宇治市とその周辺地域(奈良・滋賀・三重)
  • 品質の高さとバランスの良い味は宇治茶を起源とする「覆下栽培」と「手もみ製茶技術」によるもの、これにより「うまみ・渋み・苦み」のバランスに優れている。
もくじ

宇治茶とは?

産地はどこ?

宇治茶は日本を代表する高品質なお茶。
主要な産地は、京都府の宇治市とその周辺地域(奈良・滋賀・三重)です。

この地域は温暖な気候と養分に富んだ土壌があり、茶葉の栽培に最適な環境です。

宇治地域における茶葉の栽培は数百年にわたる歴史があり、その間に培われた多くの製茶技術と知識が今日の高品質な宇治茶を支えています。宇治茶はその品質と風味で広く高い評価を受けています。

宇治茶=宇治産のお茶ではない?

宇治茶と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは「京都府宇治市で生産されたお茶」ではないでしょうか。

実は宇治茶が必ずしも宇治産とは限りません。
上記の産地でも記載したとおり、京都府で生産されたもの以外も「宇治茶」と呼ばれています。
また、宇治産の茶葉と他地域の茶葉をブレンドしたものも、「宇治茶」と呼ばれることがあります。

宇治茶を購入する際には、パッケージの裏面などをよく読んで、その茶葉がどの地域で生産されたのかを確認してみましょう!

宇治茶の定義と他のお茶との違い

宇治茶の定義は以下のとおり明確に記されています。

宇治茶は、歴史・文化・地理・気象等総合的な見地に鑑み、宇治茶として、ともに発展してきた当該産地である京都・奈良・滋賀・三重の四府県産茶で、京都府内業者が府内で仕上加工したものである。ただし、京都府産を優先するものとする。

公益社団法人 京都府茶業会議所「宇治茶について」(最終アクセス:2023年9月25日)
またり

ちなみに「宇治茶」として商標登録もされているよ

ちなみに、宇治茶のブランド力向上を目的とした、プレミアム宇治茶認証制度というものもあります。

「プレミアム宇治茶」として、一番茶のみを使用し、一定水準以上の品質を備えている高品質な宇治茶(玉露、煎茶)が認証を受けることができます。
参考:京都府「「プレミアム宇治茶認証制度」について」(最終アクセス:2023年9月25日)

宇治茶は特有の製法、高い品質基準、そして独特の風味によって他の日本茶と一線を画しています。
数々の茶品評会でも高く評価されており「うまみ・渋み・苦み」のバランスが特に重要とされています。このバランスの良さが多くの人々に好まれる理由のひとつですね!

宇治茶の特徴

高品質と濃厚な旨み!

宇治茶の最大の魅力は「高品質」と「濃厚な旨味」です。

「高品質」
国内外の茶品評会で数多くの賞を受賞しており、その品質の高さが証明されています。

「濃厚な旨み」
”覆下栽培(おおいしたさいばい)”によって濃厚な旨みが生み出されています。

覆下栽培とは?

宇治地域で発祥した栽培方法であり、15世紀前半から行われていたとされています。
新芽が出た4月頃に葦簀(よしず)や黒い布などの遮光素材で茶畑を覆い、日光を遮ることで茶葉の光合成を抑え、露天で栽培されるお茶にはない鮮緑色と独特の芳香やまろやかな旨味・甘味のあるお茶をつくる栽培方法です。
この栽培方法によって、タンニンが少ない茶葉となり、渋みが少なくなります。また、茶葉は多くのアミノ酸を含むようになり、それが深い旨味を生みだします。

またり

宇治茶で作られる抹茶はとても濃厚。
茶道の世界で評価が高い!

“うまみ・渋み・苦み”が決め手!

宇治茶の美味しさの秘密は「うまみ・渋み・苦み」のバランスにあります。

覆下栽培(おおいしたさいばい)という栽培方法によって、アミノ酸が豊富に含まれ「うまみ」となり、一方でカテキンとカフェインの含有量が多く、それが独特の「渋み」と「苦み」を生みだします。

宇治茶の歴史

宇治茶の歴史は鎌倉時代(1185年~)にまで遡ります。
茶祖・栄西禅師(えいさいぜんじ)から茶種をもらいうけた京都の茶の始祖・明恵上人(みょうえしょうにん)が宇治に茶園を開き、伝えたのが始まりとされています。

栄西(1141~1215)は、10代から天台宗の教えを学び始め、より深く禅宗を学ぶため2度に渡り宗を訪れました。帰国した栄西は、臨済宗の日本における開祖となります。

同時に宗で茶の素晴らしさに触れ、その種を日本に持ち帰った栄西は、臨済宗の布教と同時に茶の栽培方法や茶にまつわる文化を広めました。天台宗からの迫害を受けつつも、臨済宗の布教に努め『興禅護国論』『一代経論釈』などの書物を残しています。

FETC 1892「「茶祖」、栄西」(最終アクセス:2023年9月25日)

京都市右京区栂尾(とがのお)の山中に、お茶と関わりの深い古刹(こさつ)があります。それが、鎌倉時代の前期、明恵(みょうえ)上人が再興した高山寺(こうさんじ)です。明恵の弟子が記した『栂尾明恵上人伝記』によると、明恵は茶祖・栄西から禅の教えを受けており、その際に贈られた茶種をこの地に播いて栽培を始めたと書かれています。

日本コカ·コーラ株式会社「綾鷹物語_お茶の伝来と拡がり」(最終アクセス:2023年9月25日)


その後も時代の流れとともに、武士や僧侶にも好まれ、そして茶道の文化を通じて宇治茶の価値が高まっていきました。また、古典文学や歴史書にも宇治茶に関する記載が多く、宇治茶は日本の歴史において重要な文化的影響を及ぼしていると言えます。

宇治茶ブランドと宇治製法

宇治茶手もみ製茶技術

宇治茶の品質と風味の秘密は「手もみ製茶技術」と「覆下栽培」にあります。

宇治茶手もみ製茶技術は、日本の伝統的な製茶方法の一つで、特に宇治地域で受け継がれてきた技術です。この製法は、茶葉の品質を最大限に引き出すための独特の工程を経ています。蒸し上げから乾燥、そして最終的な仕上げまで、一つ一つの工程が茶葉の風味や香りを高めるためのものです。

約5時間にも及ぶ手もみ製茶の全工程について簡単に見ていきましょう🍵

STEP
蒸し

茶葉を蒸籠に広げ、均等に蒸す。蒸し上がった葉は、うちわで扇ぎながら冷やし、蒸し露を取り除く。

STEP
茶切り

蒸した茶葉を助炭(じょたん)のうえに拡げて、30~40㎝の高さから振り落とす。
葉が重ならないように、素早く均等に行う。

STEP
横まくり

助炭全面を使い、両手をつかって最初は軽く左右に転がし、乾燥するに応じて次第に力を入れて揉む。
体重をのせてゆっくり回転させるように。

STEP
玉解き

横まくりでできた塊を、左右に素早く手を動かしてほぐす。

STEP
中上げ

茶葉を助炭から取り出し、薄く広げて冷やし水分を均一にする。
この間に、茶葉の小さな塊も丁寧に解しておく。また、助炭の汚れを綺麗に拭き取る。

STEP
茶揃え

茶葉を挟んだ両手を前後にすりあわせ、手の中で揉まれた茶葉が上下に飛び散るようにする。

STEP
でんぐり

葉の蒸れと上乾きを防ぎながら、形と香味を良くする工程。
両手で茶を軽く持ち上げるように、左右交互にもんでいく。

STEP
板ずり

宇治製法独特の最終仕上げの工程。
茶葉を板に付けて両手で葉揃えしながら上下に旋転摩擦し茶葉を揉む。
茶葉の形状を丸く細く伸ばし、色艶と香気を良くする。

STEP
乾燥

揉み上がったお茶を助炭一面に薄く広げ、しっかり乾燥させる。

STEP
仕上がり

優れた手揉み技術で製茶されたお茶は、細く長く揉み込まれ、艶のある深い緑色をしている。

2001年には「京都府宇治茶製法手もみ技術保存会連絡会議」が結成され、「宇治茶手もみ製茶技術」の伝承・保存活動はさらに飛躍しました。2009年、こうした活動内容が京都府教育委員会から認められ、京都府指定無形民俗文化財に指定されました。

お茶の京都「日本茶800年歴史散歩ストーリー_宇治茶手もみ製茶技術」(最終アクセス:2023年9月25日)

まとめ

宇治茶は日本茶の中でも特に高品質とされるお茶で、その特徴は多岐にわたります。

最も大きな特徴はその品質の高さです。
「手もみ製茶技術」や「覆下栽培」などの製法により、茶葉の品質を最大限に引き出しています。

また、宇治茶の「うまみ・渋み・苦み」などの味のバランスが良く、特に、うまみはアミノ酸によってもたらされ、これが宇治茶の独特の風味を形成しています。一方、「渋み」が少ないため甘みが強調される傾向にあります。

このように宇治茶は多岐にわたる特徴と製法、歴史が組み合わさっており、高品質を維持しています。
それゆえに、宇治茶は日本を代表するお茶と言えるでしょう。

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