【縁起を担ぐ】大福茶の歴史と効能 | 縁起の良い食材で作る美味しいお茶
お正月は家でまったりお茶を飲みたい。
オススメのお茶はありますか?
日本茶アドバイザーのまたりです!
今回はお正月に飲む特別なお茶を紹介します!
気に入った方はお正月に限らず、いつ飲んでも大丈夫!
お茶の歴史から簡単な作り方まで解説します!
みんなでお茶の勉強をしましょう!
本記事は「大福茶を知りたい方、お正月に飲む特別なお茶を知りたい方、お正月のお茶を探している方」に向けて下記の内容をご紹介します。
今回はお茶の歴史にちょっとだけ触れてみようと思います🍵
- 大福茶と歴史
- 大福茶に込められた願い
- 大福茶の淹れ方
またり
- 日本茶アドバイザー資格を保有
(日本茶に関する消費者への初級指導者) - 表千家 茶道
(入門・習事の免状取得済み) - 日本茶サブスクを利用中
(通算利用履歴10年以上~)
ぜひ最後までお読みください!
大福茶とは
「大福茶」というお茶を知っていますか?
「大福茶」は「おおぶくちゃ」または「おおふくちゃ」と読みます。
主に関西地方で飲まれている時期限定の縁起の良い日本茶です🍵
お正月に飲む特別なお茶
平安時代から現在に伝わる文化のひとつです。
新年を祝い、新しい年を平穏無事に過ごせるよう健康長寿、無病息災を願ってお正月に飲む特別な日本茶です🍵
人々に幸福をもたらすお茶という意味があるため、縁起の良い大福茶のことを「福茶(ふくちゃ)」と呼ぶこともあります。
日本茶と縁起の良い食材の組み合わせ
普通のお茶とは異なり、お茶の中に梅干しや昆布などの食材が入っています。
地域によっては黒豆や山椒など、おせち料理にかかせない縁起物の食材が入っている場合もあります。
香りも良く、梅干しの塩気や昆布の旨みも感じられ、いつものお茶とはまた違った味わいが楽しめます🍵
大福茶の歴史・由来
ここからは大福茶が誕生した歴史・名前の由来について解説します!
大福茶のはじまりは平安時代まで遡る
諸説ありますが、今から1000年以上前の日本。天暦(てんりゃく)5年・西暦951年の平安時代中期まで遡ります。
京の都では疫病が蔓延し、数多くの命が失われました。
当時は現在のように病名を特定することができないため、疫病=原因不明の病気であり大変恐ろしいものでした。
大福茶の誕生と多くの命を救った空也上人
疫病に苦しむ多くの民に心を痛めたひとりの僧侶がいました。
六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)の開祖である空也上人(くうやしょうにん)です。
空也上人が梅干しを添えたお茶を人々に振る舞ったところ、多くの人が回復して疫病がおさまったと言われています。
開山の空也上人
第60代醍醐天皇の皇子で、若くして五畿七道を巡り苦修練行、尾張国分寺で出家し、空也と称す。再び諸国を遍歴し、名山を訪ね、錬行を重ねると共に一切経をひもとき、教義の奥義を極める。天暦2年(948)叡山座主延勝より大乗戒を授かり光勝の称号を受けた。森羅万象に生命を感じ、ただ南無阿弥陀仏を称え、今日ある事を喜び、歓喜躍踊しつつ念仏を唱えた。
出典:六波羅蜜寺「六波羅蜜寺の歴史」(最終アクセス:2022年12月25日)
天皇から庶民へ広まった大福茶
時の天皇だった村上天皇もこの功徳にあやかり、年始に梅干しを添えたお茶を服すようになります。
これが天皇が飲まれるお茶として「皇服茶(おうぶくちゃ)」と呼ばれるようになりました。
やがてこの習慣が庶民にも広まり、いつしか新年を祝う縁起の良いお茶となりました。
「皇服茶(おうぶくちゃ)」は、人々に幸福をもたらすお茶という意味も込められ「大福茶(おおぶくちゃ)」と名前を変えて、今日まで伝えられています。
大福茶に使う縁起物の食材と意味
大福茶に使われている食材は地域によって異なります🍵
ここでは主に代表的な食材とその意味について解説します!
若水
大福茶では水にも意味が込められています。
元旦の早朝にその年初めて汲む水のことを若水(わかみず)と呼びます。昔は井戸や湧き水を使用していましたが、現在は水道設備の充実や生活スタイルの変化もあり井戸や湧き水が身近にない場合もあるため、元旦に水道の蛇口から汲んだ水も若水と呼ぶこともあります。この水を体に取り込むことで、一年の邪気や不幸を取り払い、幸せを招くことができると考えられています。
梅干し
その見た目から「しわが寄るまで元気に過ごせるように」という健康長寿を願う意味が込められています。
また、梅の木の寿命が長いことから長寿の縁起物の食材とされています。
昆布(結び昆布)
「喜ぶ(よろこぶ)」、「養老昆布(よろこぶ)」、「子生婦(こんぶ)」の語呂に通じ、お祝いの意味や長寿、子孫繁栄を願う意味を込められています。
また、結ぶことにより「家族の結びつきをしっかりさせる」という意味も込められており、縁起の良い食材とされています。
他にもある縁起物の食材
地域によってこれらの食材を使用する場合もあります。
「まめに働く」などの語呂に通じ、元気に働けるようにという意味があります。
一度にたくさんの実をつけることから、子孫繁栄を願う意味があります。
また、山椒独特の香りが厄除けとしての縁起物とされています
大福茶の作り方
大福茶はお茶屋さんでも購入できますが、自分で作ることも出来ます🍵
以下の材料は1人分となります。人数に応じて調整してください!
- お湯(若水を沸かしたもの)
- 煎茶
- 梅干し
- 結び昆布(乾燥昆布)
\準備ができたら作っていきましょう!/
濡らしたキッチンペーパーなどで乾燥昆布を包みます。
昆布が少し柔らかくなったら、ハサミで細長く切って結びます(上記の写真を参考にしてください)
使用するお茶は煎茶に限らず、玄米茶やほうじ茶など普段飲んでいるお茶を淹れてください。
お茶の淹れ方はこちらの記事を参考にしてみてください🍵
「梅干し」はスーパーで販売されている一般的な梅干しで問題ありません。大小お好みで選んでください。
乾燥梅や小梅を用意する必要はなく、普段食べている梅干しで大丈夫です。
お茶を淹れてから「梅干し」と「結び昆布」を入れても全く問題ありません🍵
大切なことはひとつだけ、新しい一年の幸福と健康を願いながらゆっくり注いでください。
またりのおススメは「煎茶」です!
まとめ | 多種多様な大福茶と共通する願い
ここまで読んでいただきありがとうございました!
日本の文化や考え方、昔から受け継がれてきた素敵なものが沢山あります。
「大福茶」もその中のひとつです。
大福茶は地域や家庭、お茶屋さんによって内容が様々です。
お茶には煎茶や玄米茶、ほうじ茶を使ったり、縁起物には梅干しや結び昆布、黒豆、山椒を使ったり。
多種多様な大福茶ですが、ひとつだけ共通していることがあります。
それは、新しい年の幸福と健康の願いが込められているということです。
皆さんも家族や大切な方と大福茶で新年を迎えてみませんか。
日本茶のサブスクの中にはお正月に大福茶を届けてくれるものもあります!
良かったらこちらの記事も読んでみてください🍵